『デフレの正体』 藻谷浩介著 角川書店 724円(税別)
名著です。
よくぞ、新書1冊の中に、これだけの情報を、しかも、わかりやすく入れられたものだと、感心させられます。
著者 藻谷浩介氏は、周南市出身の、最強地域エコノミスト。1年間のシンガポール出向を終え、その地域・日本・世界の将来を複眼的に考察する力に、ますます磨きがかかりました。各地をくまなく自分の眼で見て歩いた実感と、誰でもアクセスできる公式統計をもとに、経済の現状を鋭く分析することで全国にたくさんのファンを持つ藻谷浩介氏の待望の新著。累計3千回以上行なってきた講演経験をもとに構成された書下ろしです。
“あとがき”の中で述べられている藻谷氏の想いです。
「経済を動かしているのは、景気の波ではなくて人口の波、つまり生産年齢人口=現役世代の数の増減だ」
誰の「意見」でもない客観的な「事実」、「生産年齢人口の減少と高齢者の激増」という日本の現実に対する認識を、一人でも多くの人と共有したいというのが、この本を書いた動機です。
参考文献は、国勢調査をはじめとする統計データのみ!
「景気の波」を打ち消すほど大きい「人口の波」が、日本経済を洗っている!
率だけをみてはいけない、絶対量の増減をみよ!
「高齢化」というのは、「高齢者の絶対数の激増」ということだ!
「出生率上昇」では生産年齢人口減少は止まらない!
マクロ政策では「インフレ誘導」と「デフレ退治」は不可能だ!
眼からウロコの連続間違いない一冊です。
目次
第1講 思い込みの殻にヒビを入れよう
第2講 国際経済競争の勝者・日本
第3講 国際競争とは無関係に進む内需の不振
第4講 首都圏のジリ貧に気づかない「地域間格差」論の無意味
第5講 地方も大都市も等しく襲う
「現役世代の減少」と「高齢者の激増」
第6講 「人口の波」が語る日本の過去半世紀、今後半世紀
第7講 「人口減少は生産性上昇で補える」という思い込みが対処を遅らせる
第8講 声高に叫ばれるピントのずれた処方箋たち
第9講 ではどうすればいいのか@
高齢富裕層から若者への所得移転を
第10講 ではどうすればいいのかA
女性の就労と経営参加を当たり前に
第11講 ではどうすればいいのかB
労働者ではなく外国人観光客・短期定住客の受入を
補講 高齢者の激増に対処するための「船中八策」
おわりに 多様な個性のコンパクトシティたちと美しい田園が織りなす日本へ

地域づくりのためその半生をささげてきた私にとって、特に嬉しかったのは、あとがきの最後の一行でした。
「最後になりましたが、私に知恵と元気を与えてくれる妻と、信じた道に沿って行動することを決してやめない全国各地の草の根の地域づくり関係者の皆様に、この本を献(ささ)げます。」
藻谷さん、ありがとう!
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